トラブルシューティングに役立つコマンドプロンプトの使い方

パソコンおまかせ隊です。

パソコンを使っていると、時に「あれ?なんか調子が悪いな…」「いつもと違う動きをしている?」といったトラブルに遭遇することがありますよね。そんな時、皆さんはどうしていますか?


Windowsには、グラフィカルな画面で操作する普段使いのインターフェースとは別に、キーボードで命令を入力してパソコンを操作する「コマンドプロンプト」という強力なツールが存在します。あの黒い画面に白い文字…と聞くと、「難しそう」「プログラマーしか使わないんでしょ?」と思うかもしれません。

でも実は、コマンドプロンプトは、ちょっとしたトラブルの原因を特定したり、パソコンの状態を調べたりするのに非常に役立つツールなんです!今回は、初心者の方でも安心して使える、トラブルシューティングに役立つ基本的なコマンドプロンプトの使い方をご紹介します。


コマンドプロンプトとは?

コマンドプロンプトは、WindowsOSに標準で搭載されている、コマンド(命令文)を入力してコンピューターを操作するためのツールです。マウスでクリックする代わりに、文字で支持を出すことで、システムの深い部分にアクセスしたり、普段見えない情報を取得したりすることができます。


コマンドプロンプトの起動方法(管理者として実行が重要!)

トラブルシューティングを行う場合、管理者権限が必要なコマンドを使うことが多いので、「管理者として実行」で起動するのが基本です。

1.Windowsの検索バーに「cmd」または「コマンドプロンプト」と入力します。

2.検索結果に表示された「コマンドプロンプト」を右クリックします。

3.表示されたメニューから「管理者として実行」を選択します。

 ・ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「はい」をクリックしてください

4.黒い画面が表示されれば、コマンドプロンプトの起動は成功です!


トラブルシューティングに役立つ基本コマンド

それでは、実際に役立つコマンドをいくつかご紹介します。


1.ipconfig:インターネト接続の問題を診断!

何ができるの?

 ・現在のパソコンのIPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなど、ネットワーク設定に関する情報を表示します。インターネット接続が不安定な時に、どこに問題があるか(パソコン側か、ルーター側かなど)を特定する手がかりになります。

使い方:

 ・ipconfihと入力してEnterキーを押します。

 ・Wi-Fi接続の情報を詳しく見たい場合は、ipconfig/allと入力してEnterキーを押します。

(より多くの情報が表示されます)

こんな時に役立つ:

 ・「インターネットに繋がらない!」

 ・「Wi-Fiは繋がっているのにウェブページが見られない」

 ・ルーターやモデムの再起動後に、IPアドレスが正しく割り当てられているか確認したい。


2.ping:特定のサイトやサーバーに接続できるか確認!

何ができる?

 ・指定したIPアドレスやウェブサイト(例:https://www.google.com/url? sa=E&source=gmail&q=google.com)に、データが届くか、そしてその応答にどれくらいの時間がかかるのかを調べます。ネットワークの疎通確認や遅延の有無を判断するのに使います。


・使い方:

 ・ping[調べたいIPアドレスまたはウェブサイト名]と入力してEnterキーを押します。

 ・例:ping 8.8.8.8(GoogleのDNSサーバー)

 ・例:ping google.com

・こんな時に役立つ:

 ・「特定のウェブサイトだけ開けない」

 ・「オンラインゲーム中に頻繁に切断される」

 ・自分のパソコンから外部のネットワークまで、通信が正常に行われているか確認したい。


3.tracet:インターネット接続の「経路」を追跡!

・何ができる?

 ・指定したIPアドレスやウェブサイトまでの通信経路(データが経由するサーバーやルーター)を表示します。どこかの経由地で通信が止まっていたり、遅延が発生していたりする場合に、その場所を特定できます。


・使い方:

 ・tracert[調べたいIPアドレスまたはウェブサイト名]と入力してEnterキーを押します。

 ・例:tracer yahoo.co.jp

・こんな時に役に立つ:

 ・「インターネットが異常に遅い」

 ・「特定のサイトにアクセスができないが、pingは通る」

 ・ネットワークのボトルネック(通信の遅延箇所)を探したい。


4.sfc/scannow:システムファイルの破損を修復!

・何ができる?

 ・Windowsの重要なシステムファイルに破損がないかスキャンし、もし破損が見つかった場合は、Windowsの正規のファイルで自動的に修復してくれます。OSの動作が不安定になったり、アプリが頻繁に落ちたりする原因がシステムファイルの破損である場合に効果的です。

・使い方:

 ・必ず「管理者として実行」でコマンドプロンプトを起動してから、sfc/scannowと入力してEnterキーを押します。

 。スキャンには時間がかかります(数分~数十分)。完了するまで待ちましょう。

こんな時に役立つ: 

 ・「パソコンの動作が不安定で、アプリが頻繁に落ちる」

 ・「原因不明のエラーメッセージが頻繁に表示される」

 ・OSのクリーンインストール前に、システムの状態を確認したい。


5.chkdsk/f:ディスクのエラーをチェック・修復!

・何ができる?

 ・ハードディスクやSSDなどのドライブに論理的なエラー(ファイルの破損など)がないかチェックし、必要であれば修復します。ファイルの読み書きが遅い、データが壊れてしまうなどの問題が起きている場合に有効です。

・使い方:

 ・必ず「管理者として実行」でコマンドプロンプトを起動してから、chkdsk C:/f と入力してEnterキーを押します。

 ・C:はチェックしたいドライブの文字に置き換えてください(通常はCドライブ)。

 ・多くの場合、次回の起動時にチェックを行うか聞かれます。「Y」と入力してEnterキーを押し、パソコンを再起動します。

・こんな時に役立つ:

 ・「ファイルやフォルダが開けない、壊れている」

 ・「パソコンの起動が異常に遅くなった」

 ・「ディスクのエラーに関するメッセージが表示される」


コマンドプロンプトの利用時の注意点

正確に入力する:コマンドは半角英数字で、スペースや記号も含めて正確に入力してください。一文字でも間違えると動作しません。

管理者権限:多くのトラブルシューティングコマンドは、管理者権限で実行しないと動作しないか、限定的な情報しか得られません。必ず「管理者として実行」で起動しましょう。

コマンドの意味を理解する:不明なコマンドを安易に実行すると、システムに悪影響を与える可能性があります。今回ご紹介したコマンド以外を試す場合は、事前にそのコマンドの機能をよく調べてから実行しましょう。

データ保護:chkdskなど、ディスクの修復を行うコマンドは、ごく稀にデータ損失のリスクがないわけではありません。重要なデータには常にバックアップを取っておくことを強くおすすめします。


まとめ:コマンドプロンプトはあなたの頼れる味方!

いかがでしたでしょうか?黒い画面のコマンドプロンプトも、基本的な使い方を知っていれば、パソコンのトラブル解決に非常に役立つことがお分かりいただけたかと思います。


今回ご紹介したコマンドは、ネットワークの診断や、システムファイルの修復など、いざという時に役立つものばかりです。ぜひ、頭の片隅に置いておいてくださいね。

もし、ご自身での解決が難しいと感じたり、より詳細な診断が必要な場合は、いつでも私たち「パソコンおまかせ隊」にご相談ください!お客様の快適なパソコンライフを全力でサポートさせていただきます!


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